第43日 8月4日(金) 総距離1071.1km 晴れ

時刻 行程 歩行距離 累計距離
05:00 パークサイドホテル高松を出発 -- --
06:40 屋島御加持水を通過 -- --
06:50 不喰梨を通過 -- --
07:00 屋島寺(84番やしまじ)に到着 8.0km --
09:00 八栗寺(85番やくりじ)に到着 5.4km 13.4km
10:55 平賀源内邸を通過 -- --
11:10 志度寺(86番しどじ)に到着 6.6km 19.9km
13:20 長尾寺(87番ながおじ)に到着 7.0km 26.9km
13:50 民宿ながお路に到着 -- --

今日は87番まで打ち、明日88番札所を打って結願だ。
いつも通り5時に宿を出て、84番 屋島寺に向かう。11号線に沿って歩くと、屋島寺方向に日の出が見える。カメラを構えるが、どうしてもパチンコ屋と看板が視野に入ってしまう・・・。平家が滅亡した歴史的名所の屋島、壇ノ浦だと言うのに、もっと景観保存に気を遣うべきだと思う。11号線を左折して遍路道に入り、屋島小学校を抜けた辺りから傾斜が急になる。距離は短いので難所というほどではないが、上り坂に息を切らせる。雲辺寺を過ぎれば、しんどいのは最後の大窪寺だけと思っていたが、白峯寺、根香寺、屋島寺、八栗寺と、けっこうな坂道・山道があり、涅槃の道場は甘くなかった。
屋島寺周辺は、近所のお年寄りのウォーキングコースになっており、声をかけてくださる。急坂の多い住宅地に住んでいるせいか、皆さん脚が達者だ。少しお話ししたおじいちゃんは、家から屋島寺の境内まで休憩なしで一気に上られるそうです。負けずに私も杖をつきつき、御加持水、不喰梨(くわずのなし)といったお大師様伝説の地を通過する。御加持水は、この水を使ってお大師様が加持祈祷をされた伝説があり、その後、干ばつがあってもこの水だけは枯れる事がないそうです。不喰梨は、お大師様が屋島に登ったとき、梨がおいしそうに熟していたので一つ所望されたのだが、持主が「これは食べられない不喰の梨です」と嘘をついた所、梨がほんとうに石のように固くなり、食べられなくなったそうです。


屋島と日の出


屋島御加持水


不喰のなし


屋島寺の山門


ちょうど7時に屋島寺に到着。境内には大きな”たぬき”の像があり、ユーモラスだ。屋島寺の守護神で、太三郎狸。阿波狸合戦を仲裁した四国の狸の総大将。狸と言っても偉いものですね。静かな境内で一人お参りを済ませ、納経所で記帳をお願いする。担当の男性も親切な方で、次の札所への道を丁寧に教えてくださる。


屋島寺の山門


大師堂


屋島寺の境内


名物の狸像


屋島寺の本堂を正面から


山門


屋島寺の境内にある”血の池”を抜けると、展望台から壇ノ浦を一望できる。この辺りは源平合戦の名所が点在しており、これを縫うようにして歩く。しかし、なんと激しい下り道。こんなにきつい下りは四国でも初めて。距離は短いが、傾斜だけなら三坂峠よりもきついだろう。150号線を抜けると、ようやく傾斜も落ち着いてくる。と、間もなく今度は登り傾斜になり、八栗山麓のケーブル駅から、傾斜がきつくなり胸突き八丁。木陰で涼しいので歩きやすいのだが。


屋島寺の瑠璃宝の池(血の池)


屋島寺の裏手を下る道、転げ落ちそうな傾斜


屋島寺側からの眺望、正面の山に八栗寺がある


ケーブル駅を過ぎて八栗寺に続く道


坂を登り切って9時に八栗寺に到着するが、ここもバス遍路さんで埋まっている。バスで麓まで乗り付けて、そこからケーブルで上がっておきながら、「いやー暑い暑い、これはたまらん」とは・・・。まあ、こちらは好きで歩いている訳で、人のことをどうこう言う筋合いではないのですが。しかし、お参りしているのに、団体さんがバシバシぶつかってくるのには閉口する。せめて前を見て歩いて欲しいものだ。「人がお参りしてるのが、目に入らんか!」と、またも平常心を失いそうになる。ご本尊にお詫びしつつ、団体さんがいなくなるのを待って、改めてお参りする。山寺の風格があり、建物も立派、地形を活かした風景・配置も素晴らしい。ないのは静寂だけ・・・。納経所では個人に配慮していただき、団体さんに優先して記帳してくださった。ずっとシーズンオフにお遍路してきただけに、無人の境内に慣れてしまった我が儘な私をお許しください。歩いたからといって、団体さんよりも偉い訳ではないことは分かっているのですが・・・。


八栗寺の山門


境内


八栗寺の本堂


大師堂とバス遍路さん


八栗寺のお堂


多宝塔


八栗寺の大師堂を斜めから


八栗寺の裏山に見える岩肌


さて、気を取り直して志度寺に出発。舗装路を4km程歩くと、海沿いの道になる。途中、平賀源内邸の前を通過して、11時過ぎに志度寺に到着する。五重塔もあり、その他の建物も立派。善通寺ほどではありませんが、見所の多い札所だ。納経所では冷水をお接待していただき、休憩しつつおじさんにこの地域の歴史を教えていただく。平賀源内は小さい頃から賢いことで有名で、当時の志度寺のご住職が支援して長崎留学させた。また、讃岐藩の援助を受けながら源内が仕官を断り当時の人の顰蹙を買った。お遍路の元祖”真念さん”のお墓がこの近くにある。等々。


平賀源内遺品館


遍路道で見かけた大きな灯籠


志度寺の山門


五重塔


志度寺の本堂


大師堂


さて、いよいよラスマイ、87番 長尾寺に向かう。途中、桃を取り扱う果物店の前を通ると声をかけていただき、自家製の桃のアイスをお接待していただく。最高のアイスでした、桃って本当に美味しいですよね。平地なので早めのペースで歩けるが、ここ数日は最高気温が33℃を超えており、道路の上はそのままサウナだ。汗だくになりながら長尾寺に到着する。ここも町の中にある札所。車遍路さんが一組だけ先着して、お参りされている。終わるのを待って自分もお参り。シンプルな境内に楠の巨木が印象的。


長尾寺の山門


本堂


長尾寺の大師堂


境内の大楠


ここまで27km、4札所。日が暮れるまでに大窪寺に行ける気もするが、明日のバスを予約してあるし・・・。というより、このままお遍路が終わってしまうのが惜しい気がして、予定通り民宿ながお路さんで泊まることにする。まだ2時と早い時間だがチェックインして部屋に通していただく。あとは最後の88番札所 大窪寺のみ。お遍路の旅も大団円だ。2度の中断を挟んで6月11日から2ヶ月弱、四国滞在44日。ここまでの行程を振り返りつつ、四国の皆さん、ありがとうございました。明日一日、よろしくお願いします。オヤスミナサイ。