第38日 7月30日(日)  総距離938.8km くもり→晴れ

時刻 行程 歩行距離 累計距離
05:00 三島第一ホテルを出発 -- --
06:40 三角寺(65番さんかくじ)に到着 5.7km --
09:00 常福寺椿堂に到着・休憩 6.0km 11.7km
13:30 民宿岡田に到着(夕食のみ5500円) -- --

フロントでお弁当を受け取り、5時前に宿を出る。次は、菩提の道場 愛媛(伊予)最後の札所 三角寺。住宅地を通る遍路道を、道標を見落とさないよう慎重に進む。途中、松山自動車道をくぐり戸川公園を過ぎた辺りから、お遍路道らしい雰囲気になる。傾斜も結構あり、道も所々崩落して迂回路ができている。思ったよりも歩きにくい道だ。持病が痛み始めて、雨も降り始める。痛みで注意が散漫になり、何度も転びそうになる。気を引き締めないと、ここまでで来てリタイアは避けたい。お寺に近づくにつれ痛みが弱くなり、なんとか境内に到着する。境内では、黒衣で僧形のお遍路さんが先着して、お参りされている。邪魔しないようにお参りをしてから撮影。日曜だけに車遍路さんも来られる。納経所で記帳をお願いして、雲辺寺への道を教えていただく。境内の休憩所で朝ご飯にお弁当を食べる。山寺で風格のあるお寺さんだ。


三角寺に到着


境内の石碑


三角寺の本堂


本堂とお遍路さん


三角寺の境内




三角寺の鐘堂


同じく山門を見上げて別れを告げる


7時半に出発し、雲辺寺に向かう。まずは常福寺椿堂を次の目的地として、舗装路を歩く。下りで脚が進むが、また持病が出始める・・・。椿堂に到着した時には立っていられないレベルの激痛に。思わず玄関のチャイムを鳴らし、お寺の方に事情を説明して休ませていただいた。後になって、悲惨な顔をしていたし、日本人にしては大男なので怖がらせてしまったかと反省したが、当時はそんな余裕もなくご厚意に甘えてしまった。
ご住職の奥様だろうか、お堂の中に通していただき、横になる。痛みが治まり次第、歩きを再開するつもりで13時まで休ませていただいたが、痛みが収まらず今日の歩きは断念。7km先にある民宿岡田さんを紹介していただき、ここまでご住職の車で送っていただく。何から何までお世話になり申し訳ありません、ありがとうございます。車中、ご住職が京都のご出身であること、便利さと世の中の変化の因果関係のこと、宇宙から見れば塵に過ぎない人間の傲慢さ等、いろいろと話してくださった。無事の結願を祈っています、また遊びに来てくださいと送り出していただき、人の情けが身に浸みました。
岡田さんでは、早い時間にもかかわらず、部屋に通していただきお風呂にも入れていただく。身体を温めて解れたせいか、部屋でしばらく横になると、激しい痛みは収まり一息つく。ここに来ての足踏みは、まだ菩提の道場は卒業できないという教えだろうか。確かに、涅槃の道場に入れる程、心の修行ができていない気はするが・・・。
痛みが治まってから、洗濯をしたり、宿のご主人の名物おじいちゃんと話したり。詳しい地図を見ながら丁寧に道順を教えていただいた。地元の方と一緒に、ボランティアでお遍路道の草刈りや整備をされているそうだ。夏場は草がすぐに伸びるから、か細い遍路道は簡単に隠れてしまう。毎月までは行かなくても、かなりの頻度で草刈りされている。地元の方のご苦労あっての遍路だということを痛感。奥様が亡くなってから一人で宿を切り盛りされてきたが、つい最近、お子さん夫婦が戻られ、一緒に宿を経営されている。凄く嬉しそうな表情。部屋にはお遍路の経験談や関連本が置いてあり、夕食まで興味深く目を通した。
食事は、他のお遍路さんと一緒になる。自転車で巡礼するお遍路さん、初めて野宿に挑戦している歩き遍路さん、リストラされたお遍路さん。ビールを飲みながら、「あそこの札所は駐車場代が高過ぎる」とか、「以前泊った”へ*く*屋”という宿は最低だった!」、と盛り上がっている。こちらは怪気炎に辟易して部屋に戻り、お遍路本に読みふける。明日はなんとか歩けますように、オヤスミナサイ。