第30日 7月15日(土) 総距離763.3km 晴れ

時刻 行程 歩行距離 累計距離
05:00 若竹旅館を出発 -- --
08:00 露峰休憩所に到着・休憩 -- --
09:30 河口に到着 -- --
10:30 日の出橋に到着 -- --
10:50 素鵞神社に到着・休憩 -- --
12:00 八丁坂に到着・休憩 -- --
12:50 岩屋寺(45番いわやじ)に到着 27.0km --
14:30 古岩屋を通過 -- --
16:50 やすらぎの宿でんこに到着 31.0km 38.0km

昨夜は少々寝苦しかった、軟弱な現代人には真夏のクーラーは必須かも・・・。野宿のお遍路さんには頭が下がる。
さて、いつも通り5時に歩き始めると黒猫が道を横切る。道沿いに咲く紫陽花の群生が青空に映える。自然に増えたのか、人の手が入ったのか。宿で教えていただいた通り、380号線→33号線→209号線→日の出橋→槇の谷経由で岩屋寺に向かう。露峰休憩所の手前で、20代の男性の歩き遍路さんと出会う。野宿で逆打ちをされており、岩屋寺から大宝寺に向かう途中、道しるべが無くて迷ったそうだ。45番・46番は経路がいくつもある上に逆打ちだから難しいんだろうな。通りがかった人の車に乗せてもらい、昨夜は露峰の休憩所で泊まったそうだ。別れて歩くと、すぐ露峰休憩所に到着。地元の方が掃除されており、お礼を言って脚を休める。飲み水にトイレもあり、綺麗で便利な休憩所だ。周りの田圃の上を燕が気持ちよさそうに飛び交っている。
そういえば少し前に、新真弓トンネルを通った。交通量が少なく排気ガスもないので、ある意味、洞窟のようだった。風が吹き抜けて温度も低く、快適だ。松尾トンネルとは大違い。209号線にはいると、蝶がお杖に止まり、思わず足を止める。黒猫、燕にカラス揚羽、黒い生き物によく出会う。ここまでは緩いアップダウンで歩きやすかった。
日の出橋を過ぎると、ずっと木陰が続き涼しくなる。湧き水が冷たくて美味しい。意外と岩屋寺攻略は楽なのか? と思いきや、素鵞神社に到着。となりの飼い犬が数匹、大きな声で吠え始める。うるさーい。階段を上って境内で休憩させていただく。この鳴き声が試練の始まりとも知らずに・・・。


紫陽花の群生


鳥居越しに素鵞神社を見上げた所


神社を過ぎると、急に激しい登り道になる。まさに胸突き八丁。焼山寺の最後の登りより激しいかも。ただ階段ではないので、自分の歩幅で進める。また、落ち葉が土の上に積もってクッションになり、柔らかくて滑らないため足に優しい。とは言え、だんだん道標も少なくなり、本当にこの道で良いのか? とにかく前進すると、次の道標があり、ようやく最高点に到達。振り返るとさっき通った集落がはるか眼下に見える。先を進むとまるで獣道、道幅は30cmもなくて草木が被さっている。何kmも歩いた気がしたが、実際は1km程だろうか。ようやく昔の遍路石のある八丁坂に到着。道を間違えた訳ではないようだ。地図で見ると岩屋寺まで1.9km、「結構あるなー」。少し休憩して、さあ出発。根こそぎ倒れた木、木の根が露出してでこぼこの道、あげくに「まむし注意!」の看板。インディー・ジョーンズの映画じゃあるまいに!! 途中、たくさんの石仏が見守ってくださるのが唯一の心の支えだ。そのうち、石仏群と岩屋寺の名前入りの幟が現れて一安心するが、一向にお寺や人の気配はない。いつになったらお寺に着くのか?と不安になった所で、鐘の音と人の声が聞こえてくる。「この道でよかったんだ」、さらに進むと、ようやく山門が見えてくる。12時に到着するつもりが50分もオーバーした。体力的にはそうでもなかったが、こんなに道順に悩んだのは初めてだ。


素鵞神社の先は勾配のきつい登り道が続く


登り切ってから来た道を振り返った所


八丁坂の遍路石


延々と続く人影もない山道


石仏と幟が見えて一安心


ようやく見えた岩屋寺の山門(裏手)


岩屋寺はその名の通り、大きな岩壁を背景にしたお寺。建物も年輪を帯びて風格がある。ご住職の奥さんだろうか、息を切らせてベンチで休憩していると、お菓子をお接待してくださった。ありがとうございます。なんとか息を整えて、本堂、大師堂でお参りするが、まだ汗が止まらない。境内を散歩しつつ参道の石仏群を通り抜け、門前の店でかき氷アイスを買って休憩する。店のご主人と娘さんの評判では、近くの古岩屋荘が良さそうだ。


岩屋寺のお堂の裏手はこんな感じの岩壁


見事なお堂の細工


境内から見た山門


本堂と岩屋


岩壁の中腹にあるお堂(岩屋?)


参道の石仏群


参道のお大師様


岩屋寺の山門(表側)、ここから境内まで坂が続きます



古岩屋荘に向かって歩くと、道沿いに凹凸の岩壁が続く。宿で確認すると残念ながら満室だ・・・。ずっと携帯圏外で電話できなかったのが悔やまれるが仕方ない。あと7km歩いて、大宝寺近くの宿で泊まろう。




午後の日射しの下、さらに7kmは遠い・・・。あーだこーだ考えず一気に歩こう。途中、携帯で予約を取り、5時前に”でんこ”に到着。コンビニも隣りで便利だ。明日は一番で大宝寺にお参りして、いよいよ松山入りだ! 午前中、何度か持病が出たのが不安だが、今日も一日歩き通せた、ありがとうございます。オヤスミナサイ。