第18日 6月28日(水) 総距離405.3km 曇り

時刻 行程 歩行距離 累計距離
05:00 ビジネスイン土佐を出発 -- --
07:20 青龍寺(36番しょうりゅうじ)に到着 10.6km --
16:20 ビジネスホテル鳥越に到着 24.0km 34.6km

今日はくもりで涼しい朝だ。土佐市から青龍寺までは道順もわかりやすく、休憩所も整備されていて歩き易い。足の痛みも小康状態で、そこそこのペースで進む。ここ数日雨が続いたせいか川の水かさが増えている。梅雨真っ最中ですからね。途中、朝六時半頃に宇佐大橋にさしかかる。霧に包まれた光景は、ロスのゴールデンゲートブリッジの縮小版といった所か。お寺の手前には、”竜”という地名の看板。集落の名前だろうか。早朝で無人の道を歩き、7:20青龍寺に到着。昨日の清滝寺と同様、湧き水が豊富で名前の通り竜が潜んでいそうだ。境内には瀟洒な三重の塔に石仏群、静まりかえった雰囲気を堪能しつつお参りをする。参道にはお大師様の密教のお師匠さん、恵果を祀ったお堂があり、またお不動様の像があったりと密教色が一際強いが、その割に派手さを感じない札所だ。次は三十七番岩本寺だが、ここから57kmで今日中に行ける距離ではない。ここから24km程先にあるJR須崎駅周辺の宿に泊まろう。


霧の中の宇佐大橋


三十六番札所 青龍寺の山門


お不動様と湧き水


青龍寺の三重の塔


青龍寺の本堂


同じく石仏群


青龍寺の大師堂


参道にある恵果(お大師様のお師匠さん)を祀ったお堂


いったん来た道を引き返して宇佐大橋まで戻り、橋を渡った所を往路とは逆に浦ノ内湾沿いに進む。曇り空で太陽が隠れており暑さ半減。歩くにはもってこいの天気だ。この辺りは、海が内陸部まで深く複雑に入り込んでおり、海沿いの道はクネクネと大回りの連続。渡し船の船着き場がいくつも見える。船だと直線的に向こう岸に移動できるから便利なんだろう。
途中、同世代か少し自分より若い男性の歩き遍路さんに追いつく。完全野宿で、テントを含む20kg強の重装備で、米も持参して夕食は自炊。五年連続五回目の歩き遍路で、一回のお遍路を10万円くらいでやり繰りされるそうだ。記帳代だけでも300円X88カ所=26,400円、四国までの交通費を考えると、実質その半分くらいのお金でお遍路生活されている訳だ。私のようにお遍路宿やビジネスホテルに泊まり、6kg程度の荷物で歩くのとは大違い。滅多に人と会わないせいか、須崎までずっと一緒に歩いて話す。装備が重いのでゆったり歩く彼と、足が痛い私は、ペースもぴったり。東京生まれで東京育ち、お仕事はバイク便の配達。毎年二ヶ月の休暇を取ってお遍路されている。お遍路にはまる前は、北海道に一ヶ月くらいバイクで野宿旅行されたとか。サラリーマンだと長期休暇が取れないこともあり、バイク便の仕事をされている。TV局、出版会社、法律事務所など、どうしてもある時間までに書類が必要な会社がお得意様。そういえば、このお遍路さんも竹林寺様の下り道で滑ってころんだそうだ。また、あのお寺の納経所の態度はひどいよね等々、お遍路井戸端会議で盛り上がる。やっぱり皆さん、同じような不満を感じてるんだな。かなりの北海道フリークで、いつかは北海道に住みたいそうだ。広々して、住人も細かいことは気にしない。前向きなフロンティア精神の北海道人と波長が合うそうです。16時過ぎに私の泊まるビジネスホテルの前に差し掛かり、お互いに無事の結願を祈ってお別れする。
ホテルにチェックインすると、近くのスーパーで夕食の買い出しに行き、ついでに氷菓子を買ってほおばる。後はいつものお風呂、洗濯、日記のルーチンワーク。そう言えば、一緒に歩いたお遍路さん、この人も清滝寺のおじいちゃんと同じく”わかば”の愛煙者、飄々とした雰囲気も似ている。気の合う同行者がいたせいか、今日は34km歩けた。足の調子が良くなってきたのかも! では、オヤスミナサイ。