第10日 6月20日(火) 総距離238.0km 晴れ

時刻 行程 歩行距離 累計距離
05:30 民宿みちしおを出発 -- --
07:15 法海上人堂に到着・休憩 -- --
10:45 夫婦岩に到着・休憩 -- --
12:00 喫茶甘露に到着、昼食 -- --
14:45 烏帽子岩に到着・休憩 -- --
14:50 御蔵洞に到着 -- --
15:15 最御崎寺(24番ほつみさきじ)に到着 35.4km --
17:30 民宿川崎(素泊まり3000円)に到着 4.0km 39.4km

”みちしお”を出て、日の出直後の太陽を見ながら歩き始める。今日は40km弱歩くので、5:30出発だ。太陽がカンカンと照りつける前(二時間弱)に法海上人堂に差し掛かり休憩する。座って、綺麗に咲いたアジサイを見ていると、なぜか鶏が近づいてくる。人なつこい奴だ。しばし鳥との交流を楽しみながら脚を休める。


民宿を出ると日の出に遭遇


法界上人堂


法界上人堂の鶏、なんだか剽軽な奴でした


同じく紫陽花


またも海沿いに国道を歩き、佐喜浜のバス停で休憩。次のバスまでは1時間以上あるから、迷惑にはならないし・・・と言い訳しつつ、屋根付きの待合所で一休み。と、通りすがりのおじいちゃんが隣に座り話し始める。「足が弱るので運動しないといけないが、歩くのはキツいので自転車で外出する」等々。「歩きの遍路は偉いなー」とほめてもいただいた。話が尽きた所で、別れてまた歩き始めると、後から先程のおじいちゃんが自転車で追いついてこられて、お布施を1000円もいただいた。納め札をお渡しして、おじいちゃんの健康をお祈りしつつお礼を申し上げる、「ありがとうございます」。
/p> 再度の別れを惜しみつつ、海を横目に見ながらまた歩く。珍しい形の岩が遠目に見えるのだが、歩いても歩いてもなかなか近づいてくれない。宿を出てから五時間強、ようやく到着すると”夫婦岩”の看板が。夫婦岩といえば、三重県鳥羽の専売特許と思っていたが、高知にもあるとは知らなんだ。


炎天下を堤防沿いに歩くと夫婦岩が見えてきます


ちなみに夫婦岩は全国にあり、全国夫婦岩サミットも開催されているそうです・・・・


夫婦岩で休憩しつつ、お遍路地図で次の休憩ポイントを探すと、昼頃に到着できそうな所に”甘露”という喫茶店がある。ここを目標に決めて、また国道55号線を歩く。四国入りして今日で10日目、さすがに慣れてきたせいか、歩く事は苦にならなくなってきたが、何せ暑い・・・。予定通り甘露に12時に到着し、アイスコーヒーとミックスサンドを注文する。クーラーで冷えた空気が心地良い。店内を見回すと、店に飾ってある大きな絵が何故か気になる。何となく「喫茶店のママさんが描かれたのでは?」と直感して聞いてみると、ビンゴだった。県の展覧会などに何度も入選されているそうです。近くの小学校の校庭で雨晒しにされて朽ちた木製の椅子が、浜昼顔をバックに描写されている。


喫茶甘露のママさん自作の絵、実物はもっと良いですよ


この小学校(椎名小学校というらしい)は、味のある木造校舎だったのを鉄筋コンクリート・サッシの新校舎に建て替えたそうだ。町の人達が、木造校舎派と鉄筋コンクリート派に分かれて議論をした結果、木造校舎を取り壊して鉄筋コンクリートにしたそうです。甘露のママさんは木造校舎派だったそうですが、少数派。そう言えば、私が小学校一年生の時も木造校舎だった。35年以上も昔のことですが・・・。確か翌年には木造校舎は取り壊され、二年生からは鉄筋校舎に移ったので木造経験は一年だけ。でも木造校舎の教室や木製の机や椅子はかなり鮮明に覚えている。特に、頑丈でシッカリ感のある椅子(まさしくこの絵のような)が、二年生になってちゃちなパイプ椅子になった時はガッカリした。新しい校舎の方が気密性が良くて快適だったり、便利だったりしたはずだが、当時の子供は頑丈さ(重量感)だとか見た目とか触感とかに興味があった気がする。ということで、私も木造校舎派宣言して話が盛り上がる。今更、部外者が主張しても始まりませんが・・・。ノスタルジーを感じて木造校舎を美化しているきらいはあるが、どこにでもある鉄筋校舎よりは木造校舎の方が思い出や印象に残るのは間違いないだろう。
あと、ママさんからいろんな話を聞いた。「大阪のお遍路さんが、焼山寺さんからの下山途中に道に迷い、雨中、お大師様に助けられた」、「ボランティアを募って塵拾いをした」、「ごみをポイ捨てされる場所に相田みつおの詩を掲げたら、ポイ捨てがなくなった」、「知り合いの息子さんが数日前に若くして自動車事故で亡くなり、人は何時死んでしまうかわからない無常を感じた」等々。結局、1時間20分も居座ってしまった。手作りのサンドイッチも美味しくて、生き返った気分。
元気が戻ったところでお勘定して出発する。一時間半ほどで室戸岬の先端に近づき、3時少し前に御厨人窟に到着。若き日の空海が1200年前に修行した聖地だ。ここで明星が自分の口に飛び込んで来たと感じ、密教・修験道に開眼された、お大師様の原点。洞窟に一人で入り感慨にふける。なんせ名前が空と海、名は体を表すと言うが・・・。存在感の大きさは、日本の歴史上でもベスト3に入るだろう。いやNo.1かも。日本各地に弘法大師伝説はあるそうだし、今でも年間三十万人が四国遍路しながら「南無大師遍照金剛」と唱えている。などと妄想するも気を取り直し、お参りに番外霊場の記帳も済ませて最御崎寺に向かう。


お大師様修行の地 御厨人窟、押しつぶされそうな岩の重量感が凄い!


登り道とはいえ距離はなく、20分足らずで最御崎寺に到着。さすが南国土佐、山門までの山道はまるでジャングルのようだった。薬王寺から65km、足かけ三日でようやく高知で最初の札所に到着。さすが修行の道場、札所の遠いこと遠いこと。本堂と大師堂でいつも通りにお勤めをし、さらに牟岐で小銭を預かったおばさんの無事と、佐喜浜のおじいちゃんの健康を祈念した。


最御崎寺までもう少し。さすが南国土佐、気分はジャングル?

最御崎寺の山門、高知最初の札所は遠かった・・・


24番札所最御崎寺の本堂


境内


本堂を間近に


最御崎寺を出発して室戸岬から海を見下した所


さて、お参りが終わった所で、今日の宿探し。何軒か電話をするが、満員だったりお休みだったりで予約できない。夕方の四時過ぎともなれば当然か・・・。行き当たりばったりもいい加減にして、以後、もう少し早い時間に予約しよう。宿に迷惑をかけてもいけないし。なんとか民宿川崎さんに素泊まりで予約を受け付けてもらい、最御崎寺を出発する。お寺を出てすぐ、年長の歩き遍路さんと遭遇し、ご挨拶をした。宿を目指しつつ、港・海を一望しつつて室戸スカイラインを歩いて下る。ここから見る空と海は雄大で、カメラのフレームには収まらない。お寺からのんびりと一時間程で民宿川崎に到着してチェックインする。早めの夕食を宿の隣の喫茶店 伴茶夢でいただく。ショウガ焼きとコーヒー。久しぶりのコーヒーの香りは最高、ショウガ焼きも美味しくいただく。ところでショウガ焼きって、なんでこんなにご飯がすすむんでしょうかね?すっかり満ち足りて、宿に戻り二階の窓から海に沈む夕陽に見入る。ここは岬の西側、日の入りは見えても、明朝の日の出は見えない。部屋で写経をしてから、ボンヤリとデジカメで撮った画像で今日の行程を振り返る。遍路地図で計算すると今日の歩行距離は40KM弱、自己ベストだ!明日も頑張って歩こう。では、オヤスミナサイ。