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南山城、山背古道の史跡巡り散策コース

昨年の11月、京都府最南端の南山城地方で史跡巡りをしてきました。山背古道を基本に、JR奈良線の玉水駅 → 高倉神社・以仁王御墓 → 綺原(かんばら)神社 → 蟹満寺 → 湧出宮(わきでのみや、JR奈良線 棚倉駅前) → 神童寺 → 椿井大塚山古墳 → JR奈良線 上狛駅の12km。神社あり、古寺あり、古墳ありでバラエティに富んだコースはお奨めです。


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JR玉水駅は、奈良線のみやこ路快速で京都駅からちょうど30分。このコースを考えてくださった日本の古代史に詳しい先輩と玉水駅で落ち合い、最初の目的地、高倉神社に向かって歩き始めます。神社までは、玉水駅から奈良線沿いに1.4km、南に20分程ですから丁度良いウォーミングアップ。こじんまりとした境内は白馬の像が目立つ程度ですが、掃除が行き届いて落ち葉やゴミもありません。右の写真は境内奥にある社殿です。このページの写真をクリックすると拡大表示します。


高倉神社は以仁王を祀る神社で御墓もあります。以仁王は後白河法皇の皇子。平氏の横暴を見かねて打倒を決意し、源頼政の勧めに従って平家追討の令旨(りょうじ)を源氏に発したものの戦備が整う前に計画が漏れ、南山城のこの神社近くで平家軍に討たれた悲劇の人。平家物語の山場の一つですね。


高倉神社を出て南東方向に綺田の集落を抜けると、蟹満寺と綺原(かんばら)神社に到着。案内の看板によると、綺原神社は「日本書紀」「延喜式」にも登場する古社で、祭神はタテイナダヒメ。機織や養蚕の技術者をお祀りした綺氏一族(秦氏一族)の創建だそうです。


左の写真は本殿と天神様の摂社。本殿を狛犬が、摂社を牛が守っています。この神社は氏子さんが毎月の祭祀を欠かさないそうで、境内も交代で毎週掃除されています。右は天神様(菅原道真公)につきものの牛の像。


綺原神社の筋向かいは蟹満寺。


残念ながら境内が工事中のため蟹満寺を早々に退散して湧出宮に向かいます。左の写真は、途中で見かけた百日草。右は同じく柿の木のシルエット。


同じく道すがら見つけた鳥、鶺鴒だったと思います。


山城町綺田の西念寺近くの土手にある公園で昼食を兼ねて小休止。JR奈良線が用水路と交差する辺りです。


お昼ご飯でエネルギーを補充したら歩きを再開し、JR棚倉駅に向かいます。左の写真はその駅舎とホーム。右はその筋向かいにある湧出宮、正式名称は和伎座天乃夫岐賣神社(わきにますあめのふきめ)。


湧出宮の拝殿、右は境内にある馬の像。


湧出宮でお参りをすませると、今回の散策コースのハイライトの一つ、神童寺に向かいます。左の写真は途中見つけた紫の花、右はコスモス。


同じく、途中で見つけた碾茶(てんちゃ)の工場です。ちなみに碾茶は抹茶の原料。茶葉を蒸して炉で乾燥したものが碾茶で、これを石臼で挽いて粉末状にすると抹茶になります。


鄙びた集落を抜けて神童寺を目指すと、平城京当時の農村を思い起こさせる風景が続きます。当時は農業土木技術が未熟だったため平地を灌漑するのが難しく、こんな感じの山麓の傾斜地に田畑を作ったようです。右の写真は同じく茶畑と柿の木。


湧出宮から一時間弱で神童寺の山門に到着。聖徳太子の創建で役行者が整えたとされています。集落の中にひっそりとあるお寺で、周辺にアップダウンもなく散策にはピッタリ。駐車場がないので、車よりも歩いての参拝がお奨めです。


神童寺の本堂。観光寺化しておらず、静かに史跡の雰囲気を楽しめます。


神童寺のご本尊は蔵王権現、あの役行者が吉野の金峯山で修業中に示現したと伝承されていますから、修験道の行場として栄えた神童寺にふさわしいご本尊です。ちなみに蔵王権現は、釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩の三尊が合体したもの・・・、凄いパワーの持ち主なんですね。


神童寺の境内、南天の朱がアクセントになっています。この奥に登ると宝物殿があり、役行者像、不動明王立像、愛染明王坐像、木造毘沙門天立像、阿弥陀如来坐像、木造日光・月光菩薩立像などを拝観できます。彫刻の素人ですが、特に不動明王立像と愛染明王坐像は素晴らしく、ここまで遠回りして来ただけの価値は十分あるように思います。


仏像や境内を堪能した所で神童寺を出発。来た道を折り返して山背古道に戻り、JR奈良線沿いに南下して椿井大塚山古墳を目指します。60年ほど前に当時の国鉄奈良線を拡幅工事した際に見つかった前方後円墳で全長175m。山城地方最大の古墳で、推定築造時期は3世紀中期の古墳時代初期。邪馬台国の卑弥呼の時代ですね。古墳の円形部を線路が横切っており、下の写真は円形部の頂上から線路を見下ろした所です。


こちらの写真は、円形部から降りて古墳を見上げた所。自然の丘に一部盛り土をして造ったそうで、かなりの高さがあるのが分かります。誰を埋葬したのかは分かりませんが、工事の規模から見て、かなり権力・勢力のある人だったんでしょうね。


さて、古墳見学を終えると今日の散策は終了。最寄りのJR上狛駅に向かいます。上狛まで来ると京都府の最南部で木津川はすぐそこ。部外者には、この辺りは奈良なのか京都なのか判然としない境界エリアですが、山背古道に沿って古墳が散在する史跡エリアでもあります。今回ご紹介したコースを参考に史跡・古墳巡りの散策を楽しまれてはいかがでしょうか。